2002年09月20日
三井化学、大阪工場でプロピレンの増産体制を確立へ
メタセシス法を採用して04年8月に年産42万tに拡大
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:BASF、三井化学

 三井化学は20日、同社大阪工場のプロピレンの生産体制を大幅に増強すると発表した。現在の同工場内のオレフィンの年間生産能力は、エチレン47万8,000t、プロピレン28万tとなっている(いずれも定修実施年とスキップ年の平均)が、このうちのプロピレンの生産能力を同14万t増やして同42万tとする。
 
 増強に当たっては、ルーマス社のオレフィン・コンバージョンユニット技術(メタセシス法)を採用する。具体的には、エチレン年間約4万tとブテン-2同約10万tを使ってプロピレンをこれまでより年14万t多く作るようにする。03年7月の同工場の定修時に着工、04年8月に完工の予定。所要資金は約40億円の見通し。
 
 今回の措置は、かねてからプロピレン不測が続いていて年間20万t前後のFCCプロピレンを外部から購入しなければならない状態が続いているのに加え、03年末には大阪に年産30万t能力の大型ポリプロピレンプラントを完成する予定などもあって、思い切ったプロピテン増産体制の確立が急務となっていたため。
 
 メタセシスプロセスによるプロピレンの増産体制の構築はわがでは今回の同社が初めて。海外でもほとんど例がなく、米・エクイスターが92年以降、年40万tを量産しているだけ。BASF/フィナが昨年末にエチレン同120万tの大型プラントを建設したときに同プロセスを使ってプロピレンも大量生産しようと考えていたが、大量のブテンを確保できないため実行を遅らせている。同社の場合は、今年末には外部からのブテンの購入によって工業化に踏み切るのではないかと見られている。これに続いては中国の上海PETが04年から同16万tの量産に入る計画と伝えられている。
 
ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/cgi-bin/fax/search.cgi?CODE=199