2002年09月24日
三井化学、PDP用光学フィルターが目覚しい伸び
メッシュタイプの開発も需要家の間で人気
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学のPDP用光学フィルター「フィルトップ」が目覚しい伸びを遂げている。本格企業化の初年度に当たる01年度の売上高は約25億円であったが、今年度は40億円を超える見通しにある。昨年度の実績も当初の予想を大きく上回る規模であり、極めて順調な立ち上がりとなったが、今年度はさらに加速がついているわけ。このため販売シェアも、トップを激しく争うところまで拡大している。
 
 同社によるとこの要因は、(1)色素や反射・透明導電材料など高度な技術に裏打ちされた多彩な関連材料を保有している点がセットメーカー各社の人気を呼んでいること(2)スパッタによって多層透明導電膜を形成する同社特有のスパッタタイプに加え、電磁波遮断効果がさらに高い金属メッシュタイプもラインアップするなどでユーザーのニーズにより弾力的に対応していける態勢を整えたこと(3)PDPの需要そのものが大きく伸びてきたこと--の3点に集約できるという。

 全世界のPDPの需要量は、99年度が10万台、00年が20万台、01年が35万台--と順調に拡大してきており、今年は80万台に達すると予想されている。また、03年以降はデジタルテレビ時代に入るとあって一気にジャンプアップするとの見方が一般的だ。三井化学では、5年後の07年の総需要量が750万台になると見ている。
 
 同社では、こうした展望に基づき同社特有の総合技術力を生かして同分野に強力な基盤を構築していく考え。このため、需要家の間でニーズが高まっている“直張りタイプ”も開発して試験販売に乗り出している。基板ガラスを省いて軽量化を図った製品で、04年ごろには本格企業に踏み切ることになりそう。