2002年09月26日
液晶ディスプレイ用導光板の製品化でしのぎ
旭化成、住化、三菱レが競争
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:旭化成、住友化学、三菱レイヨン

 LCD(液晶ディスプレイ)の需要が順調に伸びているのに対応して、次世代型液晶導光板の製品化が活発化している。導光板は住友化学、旭化成、三菱レイヨンなどが製造しているが、原料のメチルメタアクリレート(MMA)をどのように成形し、光を均一にする拡散層を重ねるかが課題。住友化学では拡散層をMMAに一体化して射出成形するSLG(スミトモライトガイド)法を開発し、市場拡大をはかっている。
 
 これに対し旭化成は従来の押し出し成形法により、拡散層(ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートなどの拡散シート)とMMA導光板を併列に押し出す形で一体成形する方法をとることにし、年内に実用化する方針。
 
 一方、三菱レイヨンも連続製板と呼ばれる押し出し成形で導光板を生産しているが、拡散層をどのように扱うかは、目下、研究中ですでに明らかにしている中国での計画を実行する時までにきめたいとしている。
 
 旭化成はMMA押出板の生産で国内トップの地位にあり、導光板でも世界のトップクラスのシェアを持つ。三菱レイヨンは注形板の建築材、ディスプレイ分野を含むMMA成形板ではトップだが、導光板の市場でどう追い上げるかが注目される。
 
 これら各社はMMAモノマーの生産でも設備の増強をはかっている。いずれも中国、台湾、韓国などのアジア市場の需要増を対象にしたもので、導光板を成形する新技術を中心に競合が激化する見通しにある。