2002年09月27日
化学業界の有害大気汚染物質削減も順調に進展
12物質のうちの4物質が初年度で15年度目標をクリア
【カテゴリー】:環境/安全
【関連企業・団体】:日本化学工業協会

 日本化学工業協会は、「産業構造審議会化学・バイオ部会リスク管理小委員会」の下部機構である「有害大気汚染物質対策ワーキンググループ」が27日に開催した第4回会合に出席し、合計12の化学物質を対象に化学業界が取り組んでいる第2期自主管理計画(削減計画)の平成13年度における実施状況を説明した。同日の会合では、同協会以外の合計24の業界団体も同様に13年度の実態を報告した。
 
 現在日化協が推進している第2期自主管理(削減実施)の対象物質は合計12物質。ただし他の業界団体と異なり、ニッケル化合物は取り扱い量が極めて少ないため対象から除外し、代わりにエチレンオキサイドを加えている。
 自主管理(削減実施)期間は、他の業界と同じく平成13年度から5年度末までの3年間。この日の説明によると、12物質のうちテトラクロロエチレン、トリクロロエチレン、ジクロロメタン、アセトアルデヒド--の計4物質は、初年度の13年度でいち早く15年度の目標を上回る量の削減に成功している。15年度の目標に対する達成率は、テトラクロロエチレンが145%、トリクロロエチレンが124%、ジクロロメタンが114%、アセトアルデヒドが109%--となっている。
 
 また、残る8物質のうちベンゼンなど7物質も排出削減が順調に進んでいると報告されている。7物質それぞれの達成率は、向こう2年を残してベンゼンが95%、アクリロニトリルが92%、1,2-ジクロロエタンが84%、エチレンオキサイドが74%、塩化ビニルモノマーが73%、1,3-ブタジエンが64%、クロロホルムが56%--となっている。
 
 ホルムアルデヒドだけは基準年の11年度の排出量を上回っている。しかしこれは、新たな発生源が見つかったことによるもので、それを除外すると目標をクリアできている。