2002年10月07日
三菱レイヨン、固体高分子形燃料電池用ガス拡散層開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:三菱レイヨン

 三菱レイヨンは7日、固体高分子形燃料電池に用いるガス拡散層(GDL)の量産化にめどがついたため、量産化製造ラインを豊橋事業所内に設置すると発表した。

 ガス拡散層は燃料電池の電極を構成する基幹部品で、燃料ガスの透過性と電気伝導性、量産時における取扱い性や低コスト化が求められている。今回開発したガス拡散層はロール状のカーボンペーパータイプで、同社の基盤技術であるアクリル繊維や炭素繊維製造技術を活かしてカーボンペーパーの可とう性を上げるとともに、製造工程を連続化し量産化に見通しをつけた。

 これまで中央技術研究所(広島県大竹市)で幅30cmで連続ロール状GDLでプレマーケティングを行ってきたが、国内外の燃料電池メーカー、MEAメーカーから引き合いが多く、2004年からの本格的な燃料電池市場の立上がりをにらんで、量産化製造ラインを設置することにした。

 新設ラインでは幅80cmまでのGDLの生産が可能。年産25万〓を目標にしている。今後の需要動向に応じて、さらに増強も視野に入れていく方針。2003年1月出荷の予定。

 なお同社は、1998年にカナダの高圧容器メーカーであるダイナテック社に出資し、同社向けに炭素繊維を供給している。ダイナテック社はCNGタンクおよび燃料電池自動車向けに水素タンクを製造しているため、今回のガス拡散層開発により、固体高分子形燃料電池市場に直接基幹部品を投入することも可能になるとしている。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/cgi-bin/fax/search.cgi?CODE=255