2002年01月17日
第2回産業競争力戦略会議、平井東レ社長が研究開発めぐり意見
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:東レ、経済産業省

 産業競争力戦略会議の第2回会合が16日開催されたが、経済産業省は17日、「各委員から熱心な発言があった」と議事要旨を発表した。
 議事は平沼経済産業大臣の挨拶のあと、事務局から「わが国の産業技術の現状と課題」についての説明があり、続いて委員の一人である東レの平井克彦社長が「わが国における研究開発の促進」をテーマに意見を述べた。この中で同社長は要旨次のように語ったという。
 
(1)中国等が台頭する中、R&Dにより高付加価値製品を創出し,製造業の生き残りを図っていくことはなにより重要。反省として「自前主義」の企業、閉鎖的・硬直的な大学、国は縦割りということで、これまでR&Dはバラバラに行われてきた。欧米に大きく遅れをとった原因だ。

(2)国の研究開発投資約3.5兆円のうち、民間が占める割合が低い。1兆円ぐらいにはしてほしい。

(3)わが国は市場志向の研究開発に弱い。米国ではNSFで研究テーマを有用なものに絞り込んで実施している。日本にはそれに対応するものがない。
 
 なお、平沼大臣は最後に総括して「この10年、わが国に欠けていたのは産業技術に対する戦略だと思う。今後、総合科学技術会議やIT本部などでも戦略性のある政策を打ち出していきたい」と発言した。