2002年10月10日 |
田中氏のノーベル化学賞に喜びのコメント |
【カテゴリー】:経営 【関連企業・団体】:島津製作所、三菱化学 |
2002年のノーベル化学賞受賞者に島津製作所の研究員、田中耕一氏が決ったというニュースに、化学業界が沸いている。白川、野依両博士に続く3年連続の受賞、しかもこんどは民間レベルの研究員。「わが国化学工業の研究水準の高さ、層の厚さを示すものだ」といった声が聞かれている。 経産省では、さっそく平沼大臣名で「経済社会に大きな革新を与える発明が栄えあるノーベル化学賞につながり、私としても大変うれしく思います」との祝辞を打電した。 三菱化学の常務執行役員でCTO(最高技術責任者)の今成真氏は、次のように喜びのコメントを発表した。 「昨日発表のありました小柴博士のノーベル物理学賞受賞に引き続き、本日、島津製作所の田中耕一氏がノーベル化学賞を受賞されました事、誠に名誉な事とお祝い申し上げます。日本の化学界にとっては白川博士、野依博士に続く3年連続の受賞であり、日本の科学技術の水準、特に日本の化学の水準が世界に認められた事の証であり、ご同慶のいたりであります。白川博士の導電性高分子の研究、野依博士の不整合成の研究は学術的な面はもちろん実用的にも意義深いものでありましたが、今回、日本の化学産業の会社の研究者が直接受賞したということは、産業界にとって、より実用的な意味でその意義は深いものと言えます。田中氏の業績は既に産業界において実用化されており、その分析手法はスタンダードになっています。 また同氏がまだ40台前半での受賞ということ、企業の研究者であることは、大学等の若手の研究者のみならず企業の若手研究者を大いに鼓舞するものとして、その意義は計り知れないものと思います。また聞くところによると同氏は元々、化学の出身ではないそうですが、そのような方がノーベル化学賞を受賞するという偉大な業績をあげたということは、近年の研究成果が一つの専門を掘り下げてゆくというより、いわゆるインターディスシプリナリーな研究の姿勢が重要であるという事をも広く言えば示すものと考えます。 いずれにせよ日本の産業界において、今回の田中氏の受賞は明るい話題を与えるものであり、とりわけ日本の化学工業界にはたらく若い研究者に夢を与えたものとして、欣快に耐えません」 |