2002年10月10日
極東のPTAメーカーの秋の定修が本番に
10〜11月中に合計5社・7系列が運休
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:三井化学

 極東地域の高純度テレフタル酸(PTA)メーカーによる秋の定修がいよいよ本格化してきた。9月も、マレーシア・BPやインドネシア・バクリカセイなどが3週間から1ヵ月の間大型プラントを止めて定修を実施したが、10月はじめから11月末にかけては合計5社が計7系列を定修のため運休する見通しにある。9〜11月は例年のポリエステル繊維の需要期なので、中国を中心としたアジア地域全体のPTAの需給は一段と引き締まることになる。
 
 10〜11月の間に定修を実施する企業(一部のプラントは9月中旬から定修入り)は、三井化学、韓国・三星綜合化学、同・泰光産業、同・暁星、台湾・FCFC--の5社。
 運休する設備能力は7系列合計で年間ベースで219万tにおよぶ。各社別の運休設備の能力は、三井化学・岩国の2系列合計32万t、三星綜合化学の2系列トータル60万t、泰光産業の1系列42万t、暁星の1系列35万t、FCFCの1系列50万t--となっている。運休期間は一部が3週間、多くが2週間となる見込み。
 
 一方の需要は、繊維向けを中心に世界全体に関係者の当初の予想を上回る伸びを遂げている。特にアジア地域では、中国の需要の順調な伸びに支えられて他の地域以上の高い伸びとなっている模様。ある有力コンサルト企業によると、今年のアジア地域のPTAの今年の総需要量は前年を8%上回って1,782万tに達する見通しにあるという。このためアジアのPTAメーカーの年平均の稼働率は軒並み100%となり、第4・四半期はフル稼働してなお供給不測の事態になると予想されている。