2002年10月11日
三菱化学、フェノールと関連製品の国内価格を再引き上げ
15日出荷分からフェノールは19円、アセトンは18円アップ
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:三菱化学

 三菱化学は、10月15日出荷分からフェノールとその関連製品の国内価格を再修正することにして需要家各社に説明し、了承方を要請した。
 
 今回の値上げは今年5月に続くもの。対象は、フェノール、アセトン、ビスフェノールA、MIBK--の4品目。上げ幅は、フェノールが1キログラム当たり19円、アセトンが同18円、ビスフェノールAが同20円、MIBKが同21円。アップ率は、フェノールを例に取るとおおむね2割となる。
 
 今回の再修正の理由については、原油ならびにナフサの続騰に伴う原料プロピレンやベンゼンの高騰と、米・イネオスの年産40万t能力のフェノールプラントの炎上・運休による世界全域における全製品の需給の逼迫と国際価格の急騰--の2点を挙げている。
 
 フェノールと関連製品の最近の国際価格は、需給の極度の逼迫によってかつてない大幅な上昇を続けている。この2週間だけとらえても、アジアでも欧米でもトン当たり軒並み150ドル内外上っており、なお引き続き強含みの状態にある。直近のフェノールの価格は欧米で同750〜800ドル、アジアで同750ドルとなっており、アセトンは全地域で同600ドルに跳ね上がっている。BPAはアジアと米国で同1,050ドル、西欧で同1,050〜1.100ドルとなっている。
 
 フェノールの国際需給バランスは、当分の間逼迫状態が続く見通しにある。イネオスは最近のホームページで今年末には復旧できると表明しているが、内外のフェーノールメーカーの多くは、事故の大きさから判断してにわかに信じがたいとの受け止め方である。仮に、年明けから操業が再開できても、従来通りの数量がアジア地域に到着するのは早くて3月末と予想されている。
 こうしたことから、わが国のフェノールメーカーや商社の多くは、欧米でも早くて来年第1・四半期いっぱい、アジアでは上期いっぱい大幅な品不足状態が続くとの見方を強めている。