2002年10月11日 |
NEC、次世代電話用の有機ELディスプレイ |
システム・オン・グラスを韓国・釜山で生産へ |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:NEC |
NECは有機ELディスプレイの製品化について、次世代携帯電話用「システム・オン・グラス」(SOG)のディスプレイを開発したことをこのほど明らかにしたが、生産は韓国サムスンSDIとNECの合弁会社・SNMD(サムスンNECモバイルディスプレイ)の釜山工場で行う見通しである。 NECのSOG有機ELディスプレイは表示サイズが12インチ型、画素数176(水平)×184(垂直)のもので、26万色表示に対応する電流ドライバーをガラス基板上に集積している。 その特徴は(1)6ビットデジタル信号を64階調の電流信号に変換する高精度電圧・電流変換回路をガラス基板上に集積し、デジタル画像信号入力で動作する電流ドライバーを内蔵化した(2)カレント・コピアと呼ばれる電流記憶方式を利用した高精度電流バッファ回路と基準電流源回路を開発し、薄膜トランジスタ(TFT)では実現困難だった26万色精度の電流が出せた(3)画素回路に微少電流を高速にプログラムすることができる—など。 これらの技術開発により外付けの電流ドライバーICが不要となり小型化、高信頼性、低コストが実現したとしている。 このところブロードバンド化の進展とともに、インターネットアクセス、デジタルカメラなど携帯電話の用途が拡がっている。携帯電話のディスプレイは多色化、高精細化が求められている。「SOG」の技術はドライバーLSI機能とディスプレイ機能をガラス基板上に一体形成でき、とりあえず携帯電話用ディスプレイの狭額縁化を実現した。 ディスプレイを駆動するために必要な電流ドライバーをディスプレイガラス上に集積した場合、これまでTFT性能のばらつきが大きく、26万色表示に対応した電流出力精度がえられなかった。SOG方式では鮮明な画像がえられる。 |