2002年10月11日 |
「ナノ電子ペーパー」開発研究スタート |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:ダイセル化学、大日本印刷、大日本塗料、チッソ、富士写真フィルム、化学技術戦略推進機構、東洋インキ |
バイオなど多くの産業界に技術革新をもたらすとして「ナノテクノロジー」への関心が高いが、JCII(財団法人・化学技術戦略推進機構)は11日、東京・神田の学士会館で「ナノ機能粒子のカプセル成形技術」に関する第1回委員会を開催、「紙に代る」として注目されている「電子ペーパー」の開発チームを立ち上げた。 「フルカラーリライタブルペーパー」といわれているもので、ナノ粒子のカプセルに顔料を包み込み、電場に応答するようにする。フィルム上にこのカプセルを配列し、電圧を加えると顔料が発色し、文字や画像を自由に描くことができる。色は鮮やかなフルカラー、何度でも書き換えができる。開発上のポイントは(1)ナノ粒子表面の物性制御技術(2)カプセル成形技術(3)カプセル配列制御技術の3つとされている。 実用化されるようになると「紙の利便性を備え、何回も書き換えが効く、コンピューターとも双方向で情報の出入力が可能になる」など、利点は大きいという。紙に印刷したポスターや屋外広告、デパートなどの装飾や価格表示ボードなどは、ナノテクによる「電子ペーパー」に置き換わると見られている。経産省では2010年の市場規模は約2,000億円、ほかに原油約50万キロリットル分の省エネ効果が出てくると想定している。 研究開発に取り組むのは、JCIIの委員会に参加している富士写真フィルム、大日本印刷、リコー、大日本塗料、日立化成、ダイセル化学、チッソ、東洋インキの8社と、千葉大学、岡山大学の2大学。経産省の委託事業としてスタートした。 |