2002年10月15日
三菱レイヨン、MBS樹脂輸出価格トン200ドル値上げ
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:三菱レイヨン

 三菱レイヨンは15日、アジア向けMBS樹脂輸出価格を10月積み分からトン当たり200ドル値上げすることにし、需要家筋と交渉に入ったと発表した。主原料であるMMAモノマー、ブタジエン、スチレンモノマーなどの高騰で、収益を圧迫しているためとしている。
 
 同社は今春、原料高を背景にトン100ドルの値上げを打ち出し、一部浸透させたが、原料価格は秋口以降さらに上昇しつつある。このため今回の値上げ実施となった。
 
 MBS樹脂は、塩ビ樹脂向けなどの耐候、耐衝撃剤が主な用途だが、このところ中国の建材向け塩ビ需要の伸びをはじめ需要は旺盛で、原料MMAモノマーが需給タイト状況にあることもあって一部に供給不足の恐れさえ出はじめている。
 
 一方、原料価格は高止まりが続いている。このため今回の値上げによってもMBS樹脂の採算是正が十分でない場合は、年末にかけてさらにもう一段の値上げが必要になると同社ではいっている。