2002年10月15日 |
三井化学もフェノール系製品の国内価格を再修正へ |
原料高と国際相場の急騰に対応 |
【カテゴリー】:経営 【関連企業・団体】:三井化学、三菱化学 |
三井化学は15日、フェノール、アセトン、ビスフェノールA、MIBKの計4製品の国内価格を10月21日出荷分から再値上げすると15日発表した。 上げ幅は、フェノールがキロ18円、アセトンが17円、BPAが20円、MIBKが18円。いずれも今年5月に続く今年2度目の修正。 再修正の理由については、原油とナフサの続騰に伴うプロピレンやベンゼンの高騰と、米・イネオスの年産40万t能力のフェノールプラントの爆発・炎上による国際価格の急騰とを挙げている。 フェノールとその誘導品の需給バランスは、中国の需要の拡大もあって今年春以降は国際的にタイトな状態が続いていた。そうした中で9月に米国最大のフェノールメーカーのイネオスの大型装置が火災事故を起こして長期運休となったため、現在は完全な品不足の状態に陥っている。また、主要メーカーの定修が秋に集中していることも事態を一層深刻なものとしている。 このためこれらの製品の国際相場は軒並み急騰しており、アジア地域でもかつてないほどの幅で上昇が続いている。最近のアジア地域の相場は、先月に比べていずれもトン当たり150ドル内外上がっており、直近の相場は、フェノールがトン当たり700ドル、アセトンが同600ドル、BPAが同1,000ドル、MIBKが同850ドルとなっている。いずれも今後なお上昇が必至と見られる。 しかも、イネオスのアラバマ工場の復旧はかなり先になるとの見方が一般的でもある。同社は最近のホームページで年末にも再稼働できると表明しているが、フェノールメーカーはいずれも事故の大きさからいってにわかには信じがたいとしている。 今回の三井化学の再値上げは、こうした極度の需給逼迫の中で供給責任を果たしていくには最近の原料価格の急騰分を製品価格に転嫁していくほかないとの考えから打ち出されたもの。 なお三菱化学は、10月15日出荷分から同じく4製品の再修正を実施する意向を表明している。上げ幅はフェノールがキロ19円、アセトンが同18円--といったように若干異なる。 |