2002年10月15日
昭電、三菱化学からハードディスク買収、外販世界最大に
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:昭和電工、三菱化学

 昭和電工、三菱化学の両社は15日、三菱化学グループのハードディスク(HD)事業を昭和電工が買収することで基本合意したと発表した。

 三菱化学は100%子会社である三菱化学インフォニクス(シンガポール、城阪欣幸社長:以下MCI)が行っているHD事業、並びに三菱化学が所有する当該事業に関連する生産・研究設備の全て、および知的財産の一部を昭和電工グループに03年1月1日をめどに譲渡する。

 昭和電工は、シンガポールに新会社(社名:昭和電工HDシンガポール<仮称>、以下SHS)を設立し、SHSはHD事業を譲り受ける。これに伴い、MCIでHD事業に従事している従業員はSHSに引き継ぐ、としている。

 今回の合意は、需要の増大に対応した生産能力確保を狙う昭和電工のHD事業戦略と、経営資源の選択と集中を強化する三菱化学の経営方針が合致して成立した。

 昭和電工のHD事業はSHSと昭和電工エイチ・ディー〓(千葉県市原市、佐々木保正社長:以下SHD)、およびマレーシア、小山(栃木県小山市)の*MD事業と合わせて4拠点体制となり、HDの生産能力は月産530万枚(SHD:320万枚、SHS:210万枚)となります。昭和電工グループは技術・生産能力を含めた総合力において、事実上世界No.1のHD外販メーカーとなる。
 
 SHSは初年度(2003年)に年間120億円の売上を計画。これにより、昭和電工のHD事業(含むMD)は、2003年に年間450億円の売上高を見込む。

<大橋光夫・昭和電工社長の話>
 HD事業は競争が激しく、再編・統合も世界規模で進んでいるが、当社にとって今回の買収は、単に生産規模が増加するというだけでなく、技術力、品質力のシナジー効果が期待できるという点が大きい。これまでは国内中心に展開してきたが、人件費などコスト的にも有利なドル圏にも拠点をもつことになった。買収金額などは公開できないが、HDの事業環境は好転しつつあるので、投下資金は短期間で回収できる見通しだ。
 
<昭和電工HDシンガポール(SHS)の概要 (設立予定)>
社名    Showa Denko HD Singapore Pte.Ltd.
所在地   シンガポール
代表者   佐々木保正氏(SHD社長兼任)
資本金   約10億円
従業員数  約350名
生産能力  210万枚/月

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/cgi-bin/fax/search.cgi?CODE=278