2002年10月15日
旭化成、非ハロゲン・非リンの難燃ポリカーボネート樹脂販売へ
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:旭化成

 旭化成は15日、家電・OA機器用途に要求される機械特性、難燃性、耐熱性、耐湿熱性に優れ、かつ、リサイクル性にも優れた「非ハロゲン・非リン」の難燃ポリカーボネート樹脂「旭化成PC V300シリーズ」を開発、12月から本格販売を開始すると発表した。

 OA機器や電気機器のハウジング・内部部品等に使われる樹脂材料には、一般に、機械物性に加え難燃性、耐熱性、耐湿熱性、リサイクル性、加工性などの特性が要求され、これらの要求を満たす材料として、従来はハロゲン系難燃剤を使用したポリスチレン樹脂やアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂が使用されてきたが、近年、世界的に非ハロゲン化の動きが進展し、代替材料としてリン系難燃剤を使用したポリカーボネート・ABS(PC/ABS)樹脂の需要が急拡大した。
 
 しかし、地球環境保護と製品安全への要請の高まりとともに、耐熱性・耐湿熱性・リサイクル性などの特性要求も市場ではますます高くなっている。
そこで同社は、難燃性エンジニアリング樹脂やスチレン系樹脂で蓄積したポリマー技術やコンパウンド技術をベースに、独自の微少量の無機系難燃剤をナノスケールレベルで配合する革新技術を用いて、ハロゲン系・リン系難燃剤ともに使用せず、従来型リン系難燃PC/ABSに比べ、耐熱性・耐湿熱性・リサイクル性に優れた「旭化成PC V300シリーズ」を開発したと、同社では開発の背景を説明している。

 エコラベル対応のプリンター・複写機・コンピューターなどのOA機器用途を中心に、従来のPC/ABSアロイ等を代替して、独自製品としてコンパウンドし全世界で販売する。2004年度に年間売上高50億円を目指す。


ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/cgi-bin/fax/search.cgi?CODE=279