2002年10月17日
旭化成、MMAシート、年産6,000トン設備完成
住化、三菱レ、クラレも増強へ、中国投資も予定
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:旭化成、クラレ、住友化学、三菱レイヨン

 旭化成は川崎工場でメチルメタアクリレート(MMA)シートの設備増強に取り組んでいたが、このほど完成、11月にも生産を開始する。今回の増強は年産6,000トン、従来の1万8,000トンとあわせて2万4,000トンとなる。
 
 同社は液晶テレビのディスプレイに使用するMMA製導光板の需要が急速に伸びているため、MMAモノマーと導光板などに使うシートを増設していた。MMAモノマー設備はすでに年産10万トンまで拡大している。
 
 年産2万4,000トンとなるシートのうち半分の1万2,000トンは導光板向けとする予定。導光板は横側から受けた光を拡散シート、プリズムシートを通してガラス板上の液晶に反射させ、カラー表示する。
 
 MMAシートは旭化成、住友化学が押し出し成形し、三菱レイヨンがキャスト成形している。また、クラレもMMA樹脂(ペレット)を生産するための準備を進めている。
 
 MMA押し出し板は照明、建材用を含め旭化成のほか、住友化学が年産1万5,500トン、三菱レイヨンが2,000トン、クラレが2万3,600トン生産設備を所有しているが、三菱レは国内と中国で各1万トン、住友化学は具体計画を明らかにしていないが1万トンていどの増強を予定しているもよう。住化の場合は導光板向けに射出成形による小型成形板(15インチまで)も新しく投入している。
 
 導光板用としてのMMAシートの需要規模は中国、韓国などを含め、年間2万トンを上回っているもよう。液晶テレビなどの市場が急速に拡大していることからみて、今後の大きな伸びが見込める。