2002年10月18日
アジア地域でプロピレンの相場が再騰
プロパンの高騰とエチレンの減産が影響
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:なし

 エチレンセンターならびに大手商社によると、アジア地域におけるプロピレンのスポット相場がここにきて再び上昇しはじめた。
 
 日本などから台湾や中国等に振り向けられる直近の着値(CFR価格)はトン当たり480〜490ドルとなっている。最近のボトムである9月中旬に比べると同20〜30ドル高い。アジア地域のプロピレン相場は、8月中旬に570〜580ドルという記録的な高値をつけたあと徐々に下降していたが、10月に入って再び上昇傾向をたどりだしたもの。
 
 これには、韓国の大手ANメーカーの泰光産業とPPの中堅メーカーである暁星とがプロパンの高騰に対処してともに原料ソースをプロピレンに転換する政策を取り始めたことと、日本ならびに韓国の石油化学センターの間でエチレンの減産に踏み切るところが現れるようになってきたことが大きく影響していると見られる。

 このうちの韓国企業2社の動きは、冬季を迎えてサウジアラビアが世界各地に供給するプロパンの価格を例年のパターン通り吊り上げてきたことに対処してプロパンのデハイドロの比率を大幅に引き下げる措置を取ることにしたもの。プロパンの国際価格は今後もなお上昇するのが確実と見られている。したがって、韓国の両社が今後デハイドロの比率をさらに引き下げていく可能性は十分あり、それに伴いアジア地域のプロピレンの需給は急速に逼迫してくることになる公算が濃厚といえる。