2002年10月22日
有害大気汚染物質の削減が極めて順調に進展
化学業界全体で15年度目標の95%を13年度でクリア
【カテゴリー】:環境/安全
【関連企業・団体】:環境省、経済産業省、日本化学工業協会

 経済産業省製造産業局は22日、産業構造審議会化学・バイオ部会のリスク管理小委員会有害大気汚染物質対策ワーキンググループの第5回会合を開き、合計74の化学業界団体と合計5地区の地域自主管理計画策定主体によるベンゼン等合計12物質の平成13年度における削減実績を報告した。
 
 それによると、日本化学工業協会など計74団体による13年度の総排出量は、基準年である平成11年度の3万8,241tから2万3,932tに減っている。削減量は1万4,309tで、削減率は37%に達している。
 平成15年度を最終年度とする削減目標数量は1万5,002t(削減率39%)となっているが、いち早く13年度でその95%をクリアしているわけ。13年度春にまとめられた自主管理計画で打ち出された目標に限りなく近い水準であり、経済産業省や環境省では化学業界全体の努力を高く評価している。
 
 また、地域自主管理主体によるベンゼンの13年度の総排出量は、5地区合計で平成11年度の1,044tから372tに減っている。削減量は672tで、削減率は64%とこれも高い水準となっている。15年度までの削減目標は平成11年度比86%減の896tに設定されている。13年度でこの目標の75%をクリアしているわけで、この場合も早い時期に各地で関係者が的確な対策を講じたことが大きな成果を上げたと評価されている。
なお、自主管理対象12物質は以下の通り。
 アクリロニトリル、アセトアルデヒド、塩化ビニルモノマー、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、ジクロロメタン、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン、1,3-ブタジエン、ベンゼン、ホルムアルデヒド及び二硫化三ニッケル・硫酸ニッケル。