2002年10月23日
呉羽化学「ビール用」プラボトルに進出、PGAサンプル出荷へ
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:クレハ、デュポン

呉羽化学工業はこのほど、酸素や炭酸ガスに最も強いプラスチックとして注目されている「ポリグリコール酸」(PGA)の重合技術を開発、パイロットプラントによる試作を開始した。近くサンプル出荷を行うが、用途として「ビール用」ボトルを目指しており、将来的に大きな市場が開けると期待している。
 
 PGAは、一酸化炭素と水素を重合して製造するが、これまでは量産化が難しいとされ、世界的にもメーカーは現在、デュポン1社だけとなっている。呉羽化学は独自の重合技術でこの問題を解決し、量産化プロセスを確立するとともに、9月には錦工場に月産能力10トンのパイロットプラントを完成した。
 
 コーラなどの炭酸飲料には、ポリエステル系の「PETボトル」の需要が伸びているが、PGAのボトルは、PETよりも酸素や炭酸ガスに対するバリア性が優れている。加工もしやすい。また適度な生分解性をもっているため、使用後の廃棄物処理が容易などの特徴ももっている。このため同社では今後、ガラスや缶に代替するビール用の容器として積極的に市場開拓していく方針である。