2002年10月24日 |
日本ゼオンも液晶ディスプレイ用光学フィルムの生産開始 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:JSR、日本ゼオン |
日本ゼオンはC5留分から抽出したジシクロペンタジェンを原料とする耐熱・透明樹脂を液晶ディスプレイ(LCD)用の光学フィルムに加工する技術を確立、子会社のオプテス(栃木県佐野市)の高岡工場に年産500平方メートルの設備を完成し、「ゼオノア」の商品名でを開始した。 同樹脂はシクロオレフィンポリマーと呼ばれる合成樹脂で、溶融押出法でフィルムに製膜する。LCDは大型ディスプレイとした場合、光の位相差によるバラツキで横から見た場合、画面がダブつき、精細性を欠くという難点が問題視されていた。このため25インチまでの画面サイズが限界で、PDP(プラズマディスプレイパネル)のような大型化が不向きとなっていた。 同社の溶融押出法は、これまで問題となっていた膜厚のバラツキ、ダブリを解消、膜厚精度をプラスマイナス1.0%前後に向上させた。フィルムの生産スピードも従来の約10倍に高めたとしている。 同社ではLCDの位相差フィルムや大画面用偏光板保護フィルム用にシクロオレフィンポリマーのフィルムを販売、フル操業目標の2005年には年間50億円以上の売り上げをめざす。 ジシクロペンタジェンを原料とするフィルムは、JSRも1997年末から生産を開始、「アートン」の商品名で販売しているが、LCDの大型化にともなって競合が激しくなる傾向にある。 ニュースリリース参照 http://www.chem-t.com/fax/images/02A24001.tif |