2002年10月25日
ポリカーボネートのアジア相場が続伸
出光石化は、11月分2,300ドル目指す
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:なし

 ポリカーボネートのアジア地域の相場が続伸している。アジア地域における主用供給ソースであるわが国の同樹脂メーカーによる直近の輸出価格は、一般グレードのCIF香港が9月積みよりさらにトン当たり50ドル上がって同2,000ドル強となっている。ディスク用品種も同じく50ドル上がって同1,700ドルに底上げされている。今年春のレベルに比べると、いずれも350ドル高い。
 
 多くの合成樹脂のアジア地域の価格はこの春以降に急上昇しているが、同樹脂の場合は特にアップ率が高いといえる。これは、原料ビスフェノールAの価格が米・イネオスのフェノールプラントの火災事故の影響で全世界的に急騰していることと、中国の需要が急増しているためアジア地域全体の需給がこれまでになく逼迫していること--の二つの要因によるもの。

 ポリカーボネートメーカーは、原料価格の上昇は11月も避けられないとの見方を取っており、したがって、11月の輸出価格はもう一段の修正が必要と判断している。
 出光石油化学もそうした企業の1つであり、近く中国などの需要家やトレーダー筋に対して同2,300ドルをオファーすることになりそう。