2002年10月29日 |
出光が3万時間の寿命を持つフルカラー有機ELディスプレイ技術を開発 |
パシフィコ横浜のLCD/PDPインターナショナル2002に出展 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:出光興産、大日本印刷 |
出光興産はさきに開発した独自の色変換(CCM、カラー・チェンジング・メディア)技術と高性能白色発光を利用し、3万時間の寿命を持つフルカラー有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ技術の開発に成功した。 同技術の開発では大日本印刷と共同研究する契約を結んでおり、引き続き製品化を急ぐ方針。試作品を30日から11月1日の3日間、パシフィコ横浜で開催される「LCD/PDPインターナショナル2002」に出展する。 有機ELディスプレイは自発光であり、視認性の良さ、画像品質の高さなどから次世代ディスプレイとしての期待が大きい。しかし「三色塗り分け方式」の従来のフルカラー化技術では、細かい画素を作り分けることが難しく、フルカラーディスプレイの画素を構成する赤、緑、青の寿命特性の違いによる色ずれの問題があり、実用化に時間がかかっている。 この点、出光では色ずれなどの問題を解決する技術として、青色単色の有機EL発光にパターン化されたCCM層(有機けい光材料層)を組み合わせて、簡単にフルカラーディスプレイを実現する「CCM方式」を開発、今回は青色を寿命の長い白色に変えた。 初期輝度100ニットからの半減寿命で3万時間(直流連続駆動時)の長寿命化に成功した。これにより携帯電話、カーオーディオなどに使うディスプレイがつくれるとしている。 大日本印刷とは色変換技術で共同開発してきたが、白色有機EL材料については別途、独自にも販売する計画。 CCM方式ではカラーフィルターの製造に使われるホトリソグラフィ技術を用いて簡単に画素のパターニングできる。このため金属マスク蒸着による高精度の塗り分け技術が必要な在来法に比べ、画素精細化が容易になり、大面積基板対応が可能となる。発光層が一種類で、有機成膜プロセスが簡略化され、トータルの製造歩留まりが向上するなどの特徴がある。 |