2002年01月15日
昭和電工、画期的な「有機EL素子」NHK研究所と共同開発
燐光発光性高分子で4倍の高効率実現
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:昭和電工

 昭和電工は15日、NHK放送研究所と共同で、折り曲げ可能なフレキシブルディスプレー用「有機EL素子」(エレクトロルミネッセンス、電場発光)材料として、燐光発光性高分子を開発し、高効率で3色(赤、緑、青)発光を実現したと発表した。

 従来の高分子EL素子は、蛍光発光を利用しているため、光を外に取り出せる効率は5%が限界だったが、今回開発したEL素子はこれらの4倍、20%の発光効率が期待できる、画期的な材料だとしている。
 
 一般に燐光は、液体窒素(-196℃)レベルの低温環境でしか観察されず、常温で観察されることは稀だが、今回両社が開発した高分子材料は、常温で高効率にRGB三原色の燐光発光を実現した。
 
 高分子発光材料は、電子や正孔を輸送する部分と、発光する部分を一つの高分子に同時に組み込むことで実現した。発光色は、発光部分の化学構造を制御することで変えることができ、次のような特徴をもっている。
 
(1)分子の構造を制御することにより、従来の蛍光の限界(5%)を超える高効率のRGB発光が得られる。

(2)印刷法やインクジェット法などの簡単な素子作製法が適用でき、大画面、高精細なディスプレイが低コストで術現できる可能性がある。

(3)添加物も含めて全て高分子材料なので、フレキシブルなディスプレイに好適である。