2002年10月31日
中国向けSM価格が反騰、さらに上昇気配
需要好調と在庫払底で先ずはトン30ドルアップ
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:なし

 大手商社ならびにSM(スチレンモノマー)メーカー筋によると、中国向けのSMの成約価格が再度上昇傾向をたどり始めた。
 この数日でトン当たり30ドルがらみ上っており、なお続伸する気配にあるという。数日内にCFRトン20〜30ドル上って650ドルを超えるとの見方が多い。
 
 SMの中国向け価格は、一部の市況メディアが、米国のSMメーカーによる中国への大量輸出が必至と予想して先安の見方を流したことが作用して9月末をピークに唱え値が弱含みに転じていた。しかし実際には、いわゆる“トレーダー玉”が中国市場に流入することがない点や、中国の国内需要がEPS、PS、ABS向けなど広い範囲にわたって引き続き好調なこと、さらには、同国内在庫がこれまでない低いレベルまで縮小していること--などがはっきりしてきため、実際のオファー価格や成約価格が再上昇し始めているもの。
 
 これには、アジア地域のSMの実際の需給バランスが極めてタイトな状況にある点が大きく作用していると見られる。