2002年11月01日
旭化成、スチレンモノマーの国内価格を再修正
11月11日出荷分からキロ10円引き上げへ
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:旭化成

 旭化成は1日、スチレンモノマー(SM)の国内販売価格を11月11日出荷分から1キログラム当たり10円引き上げることにしたと発表した。
 
 今回の値上げは、今年第4・四半期(10〜12月期)のナフサ価格が再び上昇して第3・四半期(7〜9月期)より1キロリットル当たり2,200円以上高い2万4,000円を超える見通しとなり、自らの合理化努力ではコストアップ分を吸収することが不可能となってきたことに対処してのもの。
 
 SMの需要は内外ともに引き続き活発に推移しており、一方、供給力はわが国をはじめとしたアジア全域で定修が相次いでいるため大幅に縮小している。10月から11月にかけてのアジア地域における定修・運休工場は、出光石油化学(年産34万t能力)、千葉スチレンモノマー(同27万t)、韓国・SK(同30万t)、サウジ・サダフ(同55万t)、台湾・TSMC(同14万t)、タイ・サイアムスチレン(同30万t)--の多くを数え、このためアジア全域が深刻な品不足状態に陥っている。日本国内のSMの在庫も急速に減少、9月末のメ−カー在庫は適正規模の10万tを大きく割り込んで6万tまで縮小している。
 
 同社では、こうした中で引き続き供給責任を果たしていくには、需要家各社に、採算維持のための価格修正を受け入れてもらうほかないとしている。