2002年11月06日
日立金属、ナノ結晶材料で長尺磁気シールドシート開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:日立金属

 日立金属は6日、低磁界用磁気シールドルーム用に、施工性を大幅に向上させた、ロールタイプ ファインメット磁気シールドシート"MS-FR"を開発するとともに、量産体制を整えたと発表した。

 このところ電子ビーム描画装置、走査型電子顕微鏡、核磁気共鳴装置(MRI)、超伝導量子干渉素子(SQUID)を使った装置などの設備を収容する、低磁界用磁気シールドルームの需要が拡大している。従来はその磁気シールド材にはパーマロイが用いられてきた。磁気シールド特性は良好ですが、加工後に熱処理が必要な上、重さや、施工時の変形などに問題があった。

 同社は、このような欠点を解消したファインメット磁気シールドシート"MS-F"を既に製品化してきた。磁気シールド特性が良く、薄型・軽量、加工後の熱処理が不要、施工時の変形も小さく施工性に優れるなどの特徴をもっている。しかし、シートサイズが小さく、大型化が求められていた。

 今回開発したファインメット磁気シールドシート"MS-FR"は長さ100メートルを実現、施工性の向上とともに、大幅なコストダウンを実現した。

(1)長尺ロールタイプ(標準寸法:0.12mm×0.47m×100m)のため、従来製品(標準寸法:0.12mm×0.46m×0.61m)に比べて大幅に施工性が向上。
(2)従来製品と同一特性(μrmax=70,000 at DC)を持ち、軽量、加工後の熱処理が不要、施工時の変形による特性劣化が小さく、変形を気にせずに作業できるため施工性が良いなどの特徴がある。特許15件を出願済し。

 販売計画として2002年度1億円、2003年度5億円、2005年度10億円を見込んでいる。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/cgi-bin/fax/search.cgi?CODE=363