2002年11月08日
住友化学、嶋田プレシジョン、長瀬インテコにも供与
LED用導光板の射出成形技術「SLG」
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:旭化成、クラレ、住友化学、三菱レイヨン

 住友化学は液晶表示装置(LED)の導光板を射出成形で生産する新技術「SLG」(スモトモライトガイド)を開発、このほど嶋田プレシジョン(京都市、嶋田英明社長、TEL075-642-5560)と長瀬インテコ(東大阪市、城戸振作社長、YEL06-6727-5121)の二社にサブライセンスしたことを明らかにした。また同時に韓国の三進技研(華城市、李景載社長)にも同技術を供与した。
 これに引き続き国内でさらに10社、韓国では5〜6社への技術供与を予定している。
 
 住化はメチルメタアクリル樹脂(PMMA)を原料とする導光板の生産について6〜8mmの肉厚に成形しても表面と中身の温度が同じ(ひずみが少ない)水準で、金型の転写性がよく、17〜20インチまでのLEDパネルに向く技術を開発した。具体的にはプリズムパターンに、つやけし(シボ、乱反射する)を成形の際、同時に成形する。
 
 従来はPMMA板に印刷するという工程をたどっており、新技術では導光板2個どりが可能となって成形スピードが早まって、コストダウンできるとしている。また、同社は射出成形用のペレットを新居浜の年産3万2,000トンから来年5月までに4万5,000トンに増強、さらにシンガポールの3万7,000トンを5万トンまでふやす予定。このようにペレットの増産をはかる一方でシートも4,000トン増設して2万1,000トンとする工事も完了している。
 
 PMMA導光板の急速な伸びに対応して業界では旭化成がペレットとシート、クラレがペレットを増強し、三菱レイヨンもシートの増産と取り組む方針。
 
 同業界では導光板の需要が伸びることによって1991年をピークに減少に転じたPMMA市場が、ことしから来年にかけて復活するのではないかとの期待をよせている。