2002年11月14日 |
PPブロックコポリマーの需要が急増 |
SMPOなどメーカーは対応しきれずに苦慮 |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:なし |
三井住友ポリオレフィン(SMPO)によると、ポリプロピレン・ブロックコポリマー(PP-BC)に対する需要がここにきて急増、このため最大手の同社でさえフル稼動してもなお旺盛な注文に対応し切れない事態となっている。 同コポリマーの需要が目だって拡大してきたのは今年夏以降。同コポリマーの最大消費分野である自動車部品向け品種の最近の出荷数量は、4〜6月期こそ前年同期の3.5%増にとどまっていたが、7〜9月期は同9.3%増と一気にジャンプアップ、そして10月は同17.2%増へとさらに大幅な成長を遂げている。アジア地域全体の自動車の生産活動の活発化によるところが大きいといってよさそう。 また、同コポリマーの構成比率が高い高強度の雑貨向け品種も同様の傾向で、4〜6月期に同6.4%増であったのが10月には17.2%増に拡大している。家電部品向けも同様の曲線を描いている様子。 海外からの引き合いと注文も、中国や東南アジア諸国を中心にやはり急速に増えてきているという。 通常、PPブロックコポリマーの生産・出荷量は、多い企業でPP全体の40%、少ないところで30%というところ。当然のことながらPPメーカーとしては、最近の需要の増大に合わせて構成比の拡大に懸命に取り組みつつある。しかし、同コポリマーの収率を高めるとホモポリマーやランダムコポリマーの生産量が自ずと大幅に低下するので思うように増産できず、このため注文の一部は断らざるを得ないというメーカーが増えてきている。 同コポリマーにとどまらずPPの需給バランスは全体がこのところタイト化が進んでいる。それだけに、SMPOをはじめ各社ともしばらくは同コポリマーの需要の拡大にどう対応していくかに苦慮することになりそう。 |