2002年11月18日 |
積水化成品の高性能ハイドロゲル体が目覚しい伸び |
来年には茨城・美浦工場内の製造能力を3倍に拡張へ |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:積水化成品工業 |
積水化成品工業による高性能ハイドロゲル体(商品名・テクノゲル)が、品質・機能両面の特徴を武器に目覚しい伸びを遂げている。 同製品は、アクリル酸誘導体を積水化成品独自の技術によって3次元架橋したもの。皮膚に対する低刺激性、高イオン導電性、粘着力の自由性、品質・機能の長期安定性--といった特質が人気を呼んで、市場が医療器具分野から化粧・衛生材料分野まで大きく広がってきている。 医療器具分野では、皮膚に対する刺激が少なくてしかも粘着力が優れている点が評価されて、低周波治療器具の電極向けの需要の拡大が特に目立つ。化粧・衛生材料分野では、各種有効成分の添加が容易なこと、低刺激性で安全性に優れること、密着性(フィット感)に富んでいること、ベタツキ感が少ないこと--などの点が認められて、パック用材料としての利用が急速に増えている。これらいずれのケースでも、それぞれの分野の代表的企業が本格採用に踏み切ったことが起爆剤となっている。 また、この9月からは、手術の際の電気メスの対極板分野にも進出を果たしている。このほか、工業用粘着材、スポーツアイシング、生体貼付シートなどの分野でも需要が順調に拡大しており、このため「テクノゲル」全体の今年度の売上高は前年度を45〜46%上回る見通しにある。来年度はさらに高い伸びを見込めるとしている。 こうした背景から同社では来年度中に、茨城県美浦の工場の生産設備を現在の3倍の規模に拡張する計画。現在は天理工場でも同製品を製造してるが、美浦の工場の増強後の天理工場は新品種の開発拠点の役割を担っていくことになりそう。 なお同社では、同じく来年度からは海外でも同製品を販売していく考えで、現在市場開拓を進めているところ。 |