2002年11月18日
DIC、差別化製品事業のグローバルな進展で増益を
奥村社長が会見、中間決算と通期の見通しを説明
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:大日本インキ化学工業

 大日本インキ化学工業(DIC)の奥村晃三社長は18日に記者会見し、同社の今年度上期(14年4月1日〜9月30日)の連結決算の概要と通期(14年4月1日〜15年3月31日)の連結業績予想について説明した。
 
 この中で奥村社長は、中間期の連結営業利益と純利益がともに前年同期を上回った点について「中国・アジア地域における新規需要開拓の進展が効いて電子情報材料事業と印刷材料事業が大きく伸びたのが重要な要因」と説明、そして「今後も、引き続き当社独自の差別化製品事業をグローバルに発展・拡大させていくことで増益を実現したい」と通期の業績改善に対する自信のほども披露した。
 
 同社長の発言内容は概要以下の通り。
 ▽今年度上期の連結売上高は、かねて取り組んでいきた中国・アジア地域の市場開拓が順調に進展したものの、日本ならびに米国の売上げが景気の低迷で縮小したためトータルでは1.1%の減収となった。
 ▽しかし営業利益は11.6%、純利益は88.6%それぞれ前年同期を上回った。懸命に取り組んできた合理化の効果は原料価格の高騰で相殺されたが、電子情報材料事業と印刷材料事業が順調な伸びを遂げたのが大きく寄与した。その最大の要因は、中国やシンガポール等のアジア地域の製造・販売拠点を一段と拡充して当社グループ特有の高機能材料やファインケミカル製品の育成に注力してきたことにあるといってよい。
 ▽下期も、引き続き差別化製品をグロ−バルに拡大していく考えだ。顔料も中高級顔料の育成に特に力を入れていく。さいわい、プラスチックパレット、高機能食品包装フィルム、インクジェット、粉体塗料、DVD接着剤、PPS--など世界全域で大きく伸ばしていける製品が多い。
 ▽経営環境は下期も引き続き厳しいと覚悟しているが、こうした差別化製品の育成と、ダウ・ライヒホールド・スペシャルティラテックスやコダック・ポリクローム・グラフィックスなど海外の関連会社の事業の拡充によって、通期では営業利益400億円、経常利益200億円、純利益100億円を何とか確保して、期末に4円を配当するようにしたい。