2002年11月19日
日本経団連「石炭税に反対」、各大臣に意見書提出へ
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:環境省

 日本経済団体連合会は19日理事会を開き、経産省などが検討している「石炭課税」について、「エネルギー資源のないわが国にとって石炭への課税は、企業の国際競争力を低下させ、経済活性化への足かせとなるものだ」とする内容の反対意見書をまとめた。近く経産省、環境省をはじめ関係各省大臣あてに提出する。化学業界ではソーダ業界、セメント業界などが強く反対していた。
 
 意見書の主な内容は次の通り。
(1)税制や地球温暖化に対する経済的手法のあり方については、さまざまな場で検討が行われ、まだ最終的な結論に至っていない。今回の提案は、これらの経緯を無視した形で進められている。慎重な検討プロセスが必要だ。

(2)エネルギー資源のないわが国にとっては、将来的にもエネルギー源の多様化政策は不可欠である。石炭は、石油危機以降、エネルギーセキュリティー向上や高コスト構造是正のためのエネルギー源として拡大政策が図られてきた。税制面でも政策の整合性が必要である。

(3)地球温暖化対策としての経済的手法については、環境保全上の効果、マクロ経済や産業競争力等への影響を見極めつつ総合的に検討すべきである。

(4)エネルギー源のほとんどを海外に依存していること、企業が国を選別する時代であること、環境問題は地球規模での協力が必要であることを踏まえれば、税制を含むエネルギー政策は、国際的視点から検討されなければならない。石炭は米国やドイツ、フランス等では非課税であり、わが国に新たに石炭課税が導入されると国際的な整合性を欠き、わが国企業の国際競争力を著しく低下させ、経済活性化の足かせとなる。エネルギー需給構造へも大きな影響を与える。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/02B19001.tif