2002年11月20日 |
トクヤマ、フッ化カルシウム単結晶で世界初「10インチ級」に成功 |
【カテゴリー】:経営 【関連企業・団体】:トクヤマ |
トクヤマは20日、東北大学多元物質科学研究所の福田承生教授と共同で、チョクラルスキー法(CZ)によるフッ化カルシウム(CaF2)の10インチ級大型単結晶を引き上げることに世界で初めて成功したと発表した。 フッ化カルシウムは、半導体製造装置の心臓部となる縮小投影露光装置(ステッパリング)に使用されるレンズの材料で、次世代F2レザー露光装置(リソグラフィー)用のレンズとして必須の材料とされている。 同社は数年前からCZ法による世界最大級のフッ化専用大型単結晶育成装置を設置し、福田教授と共同で10インチ級の大型単結晶を安定的に製造するためのプロジェクトに取り組んできた。すでに再現テストにも成功し、安定的に製造できるめどを得ている。 事業化のための生産設備は、10月から徳山製造所東工場内に建設中で、03年春にはサンプル出荷を開始する。04年春には総額約30億円をかけて本格的な商業プラントを完成する。生産規模として、04年には年産500枚、05年には同1,000枚、当面50億円規模の売上げを見込んでいる。 中原茂明トクヤマ社長の話「4月に新3ヵ年計画がスタートしたばかりだが、情報・電子と、環境・エネルギーは成長戦略の2本柱だ。現在全社プロジェクトとして、太陽電池用ポリシリコンの製法研究に取り組んでいるが、フッ化カルシウム単結晶による光学材料研究はこれに次ぐプロジェクトとなる。世界でも初めての画期的な技術なので今後が楽しみだ」 ニュースリリース参照 http://www.chem-t.com/fax/images/02B2000B.tif |