2002年11月22日
MMAモノマーのアジア相場が続伸
品不足でトン1,400ドルものも
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:旭化成

 MMAモノマーのアジア地域のスポット相場が続伸している。12月渡し分の多くはCFRトン当たり1,350ドルとなっており、中には1,400ドルの契約も見られる。11月の平均に比べると安値で50ドル、高値で100ドルの上昇ということになる。
 
 同モノマーのアジア地域の相場はこの4ヵ月、毎月100ドル単位で上がってきている。これは、導光板向けにポリマーの需要が大きく伸びていること、主要生産国である日本の同モノマーメーカーの間で秋の定修が相次ぎ供給力が縮小したこと、アセトンを始めとした原燃料の価格が高騰して同モノマー各社がその転嫁に踏み切ったこと--といった要因が重なったことによるもの。
 特に大きく作用しているのは需給の極度の逼迫だ。中でも影響が大きいのは、わが国の同モノマーメーカーによる輸出の大幅カットといえる。10月の総輸出量は2,917tで、前年同月を48%も下回った。9月は5,809tで26%減、8月は5,767tで37%減であったので3ヵ月連続の大幅な前年割れとなっている。各社とも、国内の需要家への供給責任の全うを優先せざるを得ないので輸出の大幅抑制に踏み切っているわけ。このため、最近の中国の成形材料や押出板メーカーの中には原料不足から生産休止に追い込まれるところが出始めている模様。
 
 アジア地域における需要は今後もなお拡大が続くというのが関係筋に共通した見方となっている。一方の供給力は、日本国内の秋の定修が先週までで終了したことや、旭化成の年産3万tの増強工事が完了したこと、さらには東南アジアでのプラントトラブルが解消したこと--などから徐々に盛り返すと見られる。しかし、需要の伸びを十分賄える規模まで拡大するには至らず、しかもアジア地域では大型石油化学コンビナートのトラブルで原料アセトンの不足状態が加速する不安もある。したがって、導光板の需要の好調が持続する限りアジア地域全体の需給の逼迫は続く公算が強い。