2002年11月25日
ポリオレフィンの出荷、品種によって増減に大きな格差
工業部品用や貼合フィルム用は著増、極薄・強化フィルムは大幅減
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 ポリオレフィン3樹脂の10月の国内向け出荷は、品種によって、前年同月の実績に対する増減に大きなばらつきが生じるかたちとなった。
 
 主要品種の中で伸びの大きさが特に目立つのは、PPでは、OPP(延伸フィルム)用の17%増、工業部品用の15%増、シート用の11%増といったところ。LDPEでは加工紙用の9%増と射出成形用の8%増が、そしてHDPEでは中空成形用の6%増--などが挙げられる。また、消費の絶対量がポリオレフィン3樹脂の中で最も大きいLDPEの一般フィルム用も3%増と3ヵ月ぶりに前年同月を上回っている。
 PPの工業部品用の伸びは、自動車部品の需要の拡大によるものと見られる。PPのOPP用とLDPEの加工紙用の増加の最大の要因は、いずれも食品包装用の貼合フィルムの需要の伸びにあるというのがポリオレフィン関係者に共通した見方となっている。PPのシートの伸びも、食品容器向けの需要の拡大が大きな支えになった様子。HDPEの中空成形用の増加はプラスチック製ドラム缶の需要増によるもの。
 
 一方、前年同月を大きく下回ったものとしては、LDPEではパイプ用品種の15%減と電線被覆用の5%減、HDPEではコンテナー用の24%減と極薄・強化フィルム用の8%減、そしてPPではコンテナー用の29%減とフラットヤーン用の8%減--などが挙げられる。コンテナーの大幅減は大手ユーザーの在庫調整によるものと見られる。HDPEの極薄・強化フィルムの縮小は安価な海外品の流入が続いているため。同品種の前年同月割れは22ヵ月連続である。パイプ用と電線被覆用の減少には公共投資の長期低迷が影響していると見てよさそう。