2002年11月25日
積水化成品工業、微粒子ポリマーでも大幅な伸び確保
光学製品から化粧品にいたるまでの広範な市場をカバー
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:積水化成品工業

 積水化成品工業の新規戦略製品の1つである真球状微粒子ポリマー(商品名・テクポリマー)が光学関連製品から化粧品にいたるまでの多種・多様の需要分野で注目を集め、大幅な伸びを遂げ始めた。最近の同社は新規機能材料の開発と育成に特に多くのエネルギーを傾注、その成果は高性能ハイドロゲル体「テクノゲル」のヒット等となって顕著に現れつつあるが、「テクポリマー」もここにきて「テクノゲル」に劣らず多彩な市場で人気を得るようになってきている。
 
 「テクポリマー」は、スチレンやメタクリル酸メチルなどの各種疎水性ビニルモノマーをベースに同社が独自の重合技術で製造しているもの。
 特徴は(1)真球状で凝集粒子が少ないこと(2)流動性、分散性、滑り性に優れること(3)平均粒子径が5〜100μmの間で自由に調整できること(4)ロット間のバラツキが少ないこと(5)架橋グレードの場合、耐熱性や耐溶剤性が優れていること(6)化粧品にも使用できること(7)水酸基、カルボキシル基などニーズに対応した官能基の付与ができること--など。
 
 こうした特徴を生かして同社が開拓に成功している用途は極めて多岐にわたっている。塗料やインクの艶消しや意匠性の向上などを図るための塗料・インク用添加剤、各種樹脂の光拡散性の付与や耐熱性・低収縮性等を向上させる材料としての樹脂改質剤、フィルムの艶消しやブロキング防止さらには光拡散性付与を実現するためのフィルム添加剤、化粧品の持つ優れた触感や滑り性や吸着性を向上させる点が人気の化粧品充填剤--などが主要例として挙げられる。
 樹脂の光拡散性の付与に関しては、MMA、PC、PET、PVCなどに対しての効果が特に大きいとのこと。また、耐熱性の向上や低収縮性の付与では、FRPやPVCなどに大きな効果がある点が実証されているという。
 
 現在同社では滋賀工場内の年産1,000t能力の専用設備でこの「テクポリマー」を製造中。樹脂への練り込み・コーティン用品種に関しては、需要家の求めに応じて、必要な光学特性が得られるための屈折率や耐熱性、さらには耐溶剤性などを調整したうえで提供するようにもしている。現在の高成長はこうしたキメ細かい需要開拓努力もあってのものと見られる。