2002年11月25日
ANのアジア地域の12月の価格、小反発の見通し
秋の定修が終了するも需給が引き続き逼迫
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:旭化成

 AN(アクリロニトリル)メ−カーならびに大手商社筋によると、ANの12月のアジア地域の価格は小幅ながら反発して11月平均の取引価格をトン当たり20ドル前後上回る公算が強くなってきた。最大消費国の中国の輸入価格(CFR)は同950ドルがらみになるとの見方が多い。
 
 アジア地域では、旭化成を始めとした多くの日本企業による秋の定修が11月中旬をもっていずれも終了したので全体の供給能力は若干拡大しつつある。しかし、もともと需給がタイトバランスにあったのと中国からの引き合いが引き続き活発なことから、欧米の余剰玉が流入してこないかぎり品不足状態は今後もなおしばらく継続するというのが日本の関係筋に共通した見方となっている。
 アジアの市場関係者のあいだでも同様の見方が広がっているようで、最近の中国からの旺盛な引き合いもそうした観測に誘発されてのものと見られる。
 
 なお、旭化成などANメーカー筋の調べでは、今年の世界全体のANの年間総需要量は前年を3%強上回って約500万tとなるが、総供給量は欧米の大型プラントの長期運休やトラブルさらには定修の集中などで年間約100万t縮小して480万tにとどまる見通しにある。このためアジア地域の需給は特に逼迫度が高くなっている。