2002年11月26日
PVCの対中輸出価格、12月は11月の30ドル高の見通し
中国国内の在庫調整が終了、VCMも底上げの公算
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:大洋塩ビ、東ソー

 大洋塩ビなどPVC各社は中国の加工企業筋と同樹脂の12月分の輸出価格の交渉を進めてきたが、近くトン当たりCFR550〜560ドルで話し合いがまとまる見通しとなってきた。11月の納入分に比べるとおおむね30ドルの値上げとなる。
 
 PVCの対中国向け輸出価格は、昨年12月の410ドルをボトムに月を追って上昇してきたが今年5月を境に下降に転じ、11月には520〜530ドルまで下がっていた。それが12月分は久方ぶりに反騰となることがほぼ確実となってきたわけ。
 
 この主たる背景は、先安観に基づく買い控えによって同国内の在庫が適正規模を割り込む事態となってきたことから多くの加工企業が発注量を従来のレベルに戻しはじめたことにあると見られている。同国の需要自体は依然として底固く、しかも新体制が固まったので今後さらに拡大傾向をたどるとの見方が有力。
 
 VCMについても東ソーなど日本各社は同じく底上げを狙って交渉を進めているところ。VCMの場合も同様に在庫規模が過小となっているので、同じく11月分を30ドル上回るレベルで近く決着する公算が強い。