2002年11月27日
ポリオレフィンの内需の1〜10月計、PPだけが射出の好調で前年超え
PEはともに主力のフィルム用が不振でマイナス成長
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:経済産業省

 ポリオレフィン3樹脂の国内向け出荷の1〜10月合計は、PP(ポリプロピレン)がわずかに前年同期を上回ったものの、ポリエチレンはLDPE(低密度ポリエチレン)もHDPE(高密度ポリエチレン)もともにマイナス成長となった。
 
 ポリオレフィン3樹脂の同期の国内向け出荷数量は、PPが207万3,198tで前年同期を2.5%上回っている。しかし、LDPEは128万9,808tで0.7%の微減となり、HDPEは79万4,494tで2.6%縮小している。
 
 そこで各樹脂の消費量トップと第2位の品種の数量と対前年同期比を見ると、PPは射出成形用が119万5,014tで103.9%、フィルム用が42万4,573tで99.6%。LDPEはフィルム用が67万1,077tで98.5%、加工紙用が21万6,346tで102.1%。HDPEはフィルム用が28万8,240tで95.7%、中空成形用が14万2,520tで98.2%--となっている。
 つまり、PPの前年超えの主因は消費量トップの射出成形用品種の成長にあり、両PEの前年割れの主たる要因はメーンのフィルム用グレードの不振にあると見ることができるわけだ。PPの射出成形用の伸びは、夏場までのパレット・コンテナーの好調と、春以降の工業部品の大幅増に支えられてのもの。両PEのフィルム用品種の不振は、安価な海外品の流入の拡大によるものと見られる。
 
 一方の輸出は、LDPEが19万1,344tで6.3%増となったものの、HDPEは16万8,050tで2.4%減、PPは20万3,265tで23%減--となった。PPの大幅減は、プロピレン不足もあって輸出余力が乏しかったためと見られる。
 
 こうした結果、ポリオレフィン3樹脂の同期の総出荷数量は、LDPEが148万1,152tで0.1%の微増となったが、PPは227万6,463tで0.5%の微減、HDPEは96万2,544tで2.6%減--ということになった。いずれも、経済産業省など関係筋の当初の予想を上回る規模である。