2002年12月02日
汎用樹脂の10月の中国向け輸出が軒並み前年割れ
1〜10月の累計はPP以外がなお前年同期を上回る
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 汎用5樹脂の10月の中国向け輸出通関数量(香港向けを含む)は、軒並み前年同月の実績を下回った。汎用5樹脂全てが前年同月を割り込んだのは今年に入ってこれが5月、6月に続いて3度目。ただし1〜10月の累計は、1〜3月期の大幅な伸びが効いていてPPを除く4樹脂が引き続き前年同期の実績を上回っている。LDPEとPSの伸びが特に高い。
 
 汎用5樹脂(ポリオレフィン3樹脂とPSとPVC)の10月の実績の中では、特にポリオレフィンの落ち込みの大きさが目を引く。前年同月に対する縮小幅が最も小さいLDPEでも11.5%減であり、PPのコポリマーに至っては55.3%もの大幅減となっている。中国側の発注が全体に低調であったこと、他の供給国の攻勢が激しかったこと、特にPPの場合は日本側各社の輸出余力が乏しかったこと--などが要因として挙げられる。
 5樹脂のうちのLDPEとPPのコポリマーは、ともに6ヵ月連続の前年割れとなった。また、HDPEとPPホモポリマーは、いずれも9月にいったん盛り返したものの10月は再び大幅な前年同月割れとなった。この結果PPのトータルも再度大幅に前年同月を割り込んでいる。PVCは前年同月割れが3ヵ月連続となった。PSは3ヵ月振りに前年同月を下回った。
 
 各樹脂の10月の中国向け輸出通関数量は以下の通り。かっこ内は前年比。右は1〜10月の累計。
 ▽LDPE   14,927( 88.5%)    140,722(109.7%)
 ▽HDPE   13,188( 76.1%)    124,038(103.6%)
 ▽PP-H   10,075( 77.8%)    123,750( 98.8%)
 ▽PP-C    2,939( 44.7%)    33,770( 81.2%)
 ▽PP計   13,014( 66.7%)    157,520( 94.4%)
 ▽PS    12,979( 96.5%)    145,574(109.6%)
 ▽PVC-H   50,671( 93.4%)    536,893(102.3%)