2002年12月09日 |
大日本インキ、EL用発光材を重点研究 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:TDK、出光興産、三洋電機、新日鐵化学、住友化学、セイコーエプソン、チッソ、パイオニア |
大日本インキ化学は有機顔料部門での新規用途開発計画で、電気を加えて発光させる顔料を重点研究していることを明らかにした。 これは顔料の持つ光電変換機能を高め有機EL(エレクトロルミネッセンス)の発光材料などに有効利用しようとするもので、PDP(プラズマ・ディスプレイ・パネル)、液晶パネルなどにも応用したい意向である。また、塗装・コーティング剤などに使われるインクジェット技術も利用することによってディスプレイ分野での活動を強化したい考えである。 有機ELのディスプレイはパイオニア、三洋電機、TDK、松下電器、セイコーエプソンなどが手がけ、小型ディスプレイはすでに携帯電話、カーナビなどに使われている。しかし発光材(青色)が水分を吸収するため寿命が短いといった問題が残されている。大日本インキ化学では顔料の水にとけにくい性質を利用して、寿命の長い発光材の開発を進めようとしているもよう。ただ、顔料そのものではなく、一種の化合物のような形で研究に取り組んでいるようである。 発光材の開発では出光興産、住友化学、チッソ、新日鐵化学、保土谷化学などが研究、とくに染料メーカーの保土谷化学では発光材専門の研究を行っている。保土谷化学は染料を生産する技術をベースに特殊な化合物の生産を目ざしていると伝えられている。 同社のほか、香料メーカーの高砂香料工業でも合成効率の高い触媒技術を使った有機EL用の化合物の生産にのりだそうとしている。同社は医薬や農薬の中間体などを合成するときに使う触媒分子をナノ(1ナノは10億分の1)レベルで生産する技術を持っている。この技術を利用してパラジュムを含む化合物を有機EL用として開発したもの。磐田工場での製品化(2005年)を目ざしている。 |