2002年12月11日
三井住友ポリオレフィン、値上げ交渉に本腰
ナフサの予想以上の高騰で危機感が一気に強まる
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:なし

 三井住友ポリオレフィンは、ポリオレフィン各樹脂の値上げ交渉に本腰を入れて取り組み始めた。これは、今年第4・四半期の原料ナフサ価格がここにきて当初の予想以上の幅で引き上げられることが確実な見通しとなってきた点を重視してのもの。
 
 ナフサ価格については、4Q分が1キロリットル当たり2万4,000円を若干割り込むと予想される時期もあった。しかし10月下旬以降に国際スポット相場が高騰を続け、今週に入ってからのC&F/ジャパンの平均はトン当たり260ドル台に達している。このため、4Qの国産ナフサ価格の平均は1キロリットル当たり2万5,000円まで上る可能性もでてきている。
 
 これは同社のみならず石油化学関係企業全ての当初の予想を上回るレベルであり、同社の場合もこのままいくと大幅な採算割れに陥るという。
 
 今回の値上げは、前回の1キログラム当たり15円の値上げ交渉が狙い通りの成果をあげられなかったことによる採算悪化を是正するためのもの。同社が打ち出している上げ幅は、ポリエチレンが同10〜15円、ポリプロピレンが同5〜10円となっている。この目標を完全にクリアしても最近のナフサ見合いの価格には到達しないだけに同社内にはこれまで以上の危機意識が広まってきており、このためかねてからの交渉に一段と拍車がかかってきたもの。