PTAは江蘇省張家港に年産60万トンの大型プラントを建設する計画である。石化・基礎化分野の収益や拡大に向けたアジア地域への拡大は、当社にとって基本戦略の一つだし、中国でのPTA計画は最重要プロジェクトといっていい。現在は中国当局の投資認可を待っているところだ。
もちろん海外でやる以上、日本と同じようにいかないことは多い。そのため当社は以前から、いろいろなリスクを考え、海外プロジェクト3原則というものを社内に掲げてきた。1つは、進出する以上はコア事業であること、そして、万一失敗しても本体の経営に影響しない範囲であること、3つ目は、すでに周りにお客をもっていることだ。つまり私たちは、リスクについては、計画にあたり厳しく見てきたことになる。
今回のPTA計画は、この3原則をクリアしている。ことに3番目のお客についていえば、当社はすでにPTAを中国に輸出している。ポリエステル繊維やペットボトルの原料として現地の需要はさらに伸びるし、それだけの市場ニーズがある。立地条件も非常にいい。
中国には、すでに当社のプロジェクトがいくつも出ている。コンパウンドは早くからグループ合弁会社を設立し、上海に工場をつくって順調に業績をあげている。PP自動車材の100%子会社もこのほど広東省中山市に工場を完成し営業を開始した。シノペックと合弁でビスフェノールAを事業化する計画も進めている。いずれも、当社が今後グローバル展開を推進していく上で重要な拠点だ。
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