-- 当面どういった打開策を講じていくのか、また今期の業績目標は。 |
原料レジンの値上げが避けられないので、今年度も苦戦を余儀なくされるが、何とか13億円の経常利益目標はクリアしたい。それには、私たち自身がコスト合理化のために大いに知恵をしぼり、汗を流していく必要がある。しかしそれだけでは限界がある。やはり、原料価格の転嫁に対するユーザーの皆さんのご協力が不可欠なので、その点もぜひご理解とご支援をいただきたい。 |
-- 当面の危機を切り抜けるには、明確な中期ビジョンとそれに沿った中期経営計画が必要です。東セロでは、どのように中計をまとめ、取り組んでいますか。
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当社では、5年先を見越しての3ヵ年計画を策定し、現在その実現に全社員で挑戦しているところだ。
課題は4点に集約できる。つまり、(1)汎用品種の収益の改善(2)既存の高付加価値品種の構成比の向上(3)新規高付加価値製品の開発(4)ユーザーの海外移転への的確な対応--の4点だ。 |
--最初にあげた「収益改善」にはどのように。 |
コストダウンが最重要課題だ。これまでも、それぞれの部門部門で懸命に努力し一定の成果は上げてきた。しかし、これからは仕事全体の仕組みを根本から洗い直して改革していくことが不可欠だ。このため4月に、私を委員長とする「業務改革推進委員会」を設置し、生産、販売、物流の各部門の計画の見直しに踏み切っているところだ。全社のベクトルをきちんと合致させ、共通の認識に基づいて、より効率の高い活動を展開していくように持っていきたい。遅くとも3年で仕上げて、業界では“東セロとつばぜり合いしたら勝てない”と言われる企業にしたい。 |
--次の「高付加価値製品の構成比アップ」というのは。 |
現在でも、当社は多くの高付加価値製品を品揃えしており、これが大きな強みの一つになっていると自負している。生分解性フィルムもその一つだ。再生可能資源を原料とする製品として必ずや社会全体から評価され、市場に受け入れられると確信している。現に、NTTドコモの請求書発送用封筒の窓をはじめ、生鮮野菜などの食品向けを中心に用途が着実に広がっている。
また、PETフィルムをベースにした透明蒸着フィルムやシリコーンコートフィルムも順調に伸びている。これらの育成に一層力を入れていくことで、会社全体の収益力を高めていきたい。
3番目のテーマにつては、事柄の性格上いま具体的に申し上げるわけにいかないが、将来が期待できる新製品の芽が着実に育ってきている。現在の汎用品種も、別の材料との組み合わせやコーティングなどの措置によって高機能製品に姿を変えていくことが十分可能だ。それができるだけの基礎技術は持っている。 |
--4番目の「海外問題」は、東セロ自らも海外に生産拠点を置くということですか。 |
いきなりの大型投資はちょっと無理だが、東セロの持つ特色をフルに生かせる製品については、需要家の動きに合わせて海外に出ていくべきと考える。2〜3年に1件づつといったテンポでの実現が望ましいように思う。
いずれにせよ、先行きの経済環境がさらに厳しくなることは十分覚悟する必要がある。それだけに、いまこそ全社を挙げて自己改革を早期に実現するように持っていきたい。 |